20260717_3


確率に関する不等式

  • マルコフ
    • 平均をで悪と以上の値を取る確率の上限がわかる

ある都市の平均年収を600万円として年収が1200万円の人の割合は多く見積もっても50%

証明

とする。期待値の定義より

積分域を に分けると

の領域で であるから

したがって 、すなわち

絶対値でも同様

  • チェビシェフ
    • 分散をで割ると平均から以上離れた値を取る確率の上限が定まる

平均年収600万円、標準偏差100万円の場合75%の人は400800万円、93.75%が2001000万円

証明

とおくと 。マルコフの不等式を に適用する。

左辺について

右辺について

よって


確率論の極限ではについて平均値や最大値、最小値がどうなるかを考える

この科目では平均について扱う

収束には

  • 確率収束←外側に出てくる確率が0になる
  • 概収束←特定の値に一致する
  • 法則収束←特定のの分布に一致する

3種類の収束の書き方

確率変数列 に対して、 のとき

確率収束 の外に がある確率が になる)

概収束(確率変数列の極限が定数 に一致する確率が

法則収束 の分布が に近づく)

※概収束はこの後出てこない

スラツキーの定理

2つの確率変数列 と確率変数 、実数定数 に対して

のとき

また、 のとき

極限を求めるのにいきなり右辺が使える

連続写像定理

を連続な実数値関数とする。 のとき

確率収束する確率変数列に連続関数をかませても、収束先に関数を適用したものに収束する


大数の法則

確率変数列 が互いに独立に同一の分布 に従う(i.i.d.)とする。
標本平均を

と定義する。 が存在するとき、次の2つの収束が知られている。

大数の弱法則

も存在するとき、任意の に対して

すなわち

証明:
。チェビシェフの不等式より

のとき右辺は に収束する。したがって

大数の強法則


すなわち

中心極限定理


中心極限定理

確率変数列 が互いに独立に同一の分布 に従う(i.i.d.)とする。
(いずれも有限)とする。

標本平均 を標準化した確率変数

を考える。 である。このとき

すなわち、任意の に対して

が成り立つ。これを中心極限定理という。

何を言っているのか

  • 大数の法則は「標本平均は母平均に確率収束する」→ 一点に縮まる
  • 中心極限定理は「標本平均のバラつき方(= のオーダーで広がる誤差)を拡大して見ると、正規分布に法則収束する」
  • のもとの分布が何であっても(正規分布でなくても!)、 が大きければ の分布は標準正規分布に近づく

導出の概略

とおくと
のモーメント母関数を とおく。

のモーメント母関数は

マクローリン展開 より

これは標準正規分布 のモーメント母関数に一致する。

CLTの具体例:分布ごとの適用

が i.i.d. に従うとき、 の漸近分布は は分布の種類に依存する。

分布 の近似分布
Bernoulli()
Binomial()
Poisson()
Exponential()
Uniform()

が大きければ と扱える。