確率に関する不等式
- マルコフ
- 平均をで悪と以上の値を取る確率の上限がわかる
例
ある都市の平均年収を600万円として年収が1200万円の人の割合は多く見積もっても50%
証明
とする。期待値の定義より
積分域を と に分けると
の領域で であるから
したがって 、すなわち
絶対値でも同様
- チェビシェフ
- 分散をで割ると平均から以上離れた値を取る確率の上限が定まる
例
平均年収600万円、標準偏差100万円の場合75%の人は400
800万円、93.75%が2001000万円
証明
とおくと 。マルコフの不等式を に適用する。
左辺について
右辺について
よって
確率論の極限ではについて平均値や最大値、最小値がどうなるかを考える
この科目では平均について扱う
収束には
- 確率収束←外側に出てくる確率が0になる
- 概収束←特定の値に一致する
- 法則収束←特定のの分布に一致する
3種類の収束の書き方
確率変数列 に対して、 のとき
確率収束( の外に がある確率が になる)
概収束(確率変数列の極限が定数 に一致する確率が )
法則収束( の分布が に近づく)
※概収束はこの後出てこない
スラツキーの定理
2つの確率変数列 と確率変数 、実数定数 に対して
のとき
また、 のとき
極限を求めるのにいきなり右辺が使える
連続写像定理
を連続な実数値関数とする。 のとき
確率収束する確率変数列に連続関数をかませても、収束先に関数を適用したものに収束する
大数の法則
確率変数列 が互いに独立に同一の分布 に従う(i.i.d.)とする。
標本平均を
と定義する。 が存在するとき、次の2つの収束が知られている。
大数の弱法則
も存在するとき、任意の に対して
すなわち
証明:
、。チェビシェフの不等式より
のとき右辺は に収束する。したがって
大数の強法則
すなわち
中心極限定理
中心極限定理
確率変数列 が互いに独立に同一の分布 に従う(i.i.d.)とする。
、(いずれも有限)とする。
標本平均 を標準化した確率変数
を考える。、 である。このとき
すなわち、任意の に対して
が成り立つ。これを中心極限定理という。
何を言っているのか
- 大数の法則は「標本平均は母平均に確率収束する」→ 一点に縮まる
- 中心極限定理は「標本平均のバラつき方(= のオーダーで広がる誤差)を拡大して見ると、正規分布に法則収束する」
- のもとの分布が何であっても(正規分布でなくても!)、 が大きければ の分布は標準正規分布に近づく
導出の概略
とおくと 、。
のモーメント母関数を とおく。、、。
のモーメント母関数は
マクローリン展開 より
これは標準正規分布 のモーメント母関数に一致する。
CLTの具体例:分布ごとの適用
各 が i.i.d. に従うとき、 の漸近分布は 。 と は分布の種類に依存する。
| 分布 | の近似分布 | ||
|---|---|---|---|
| Bernoulli() | |||
| Binomial() | |||
| Poisson() | |||
| Exponential() | |||
| Uniform() |
が大きければ と扱える。