20260629_1


オペアンプ

  • 数十個のトランジスタと抵抗、コンデンサでできている

    • 増幅
    • 演算
    • バッファやフィルタ
  • 作動増幅率が理想的には無限大

  • 入力インピーダンスも理想的には非常に大きい

  • 出力インピーダンスが小さい

  • 広い周波数域をカバー

  • 入力端子間の電圧差はゼロ

  • オペアンプに流入する電流はゼロ


オペアンプは入力の差分をとる

  • 入力インピーダンスが大きいので前段回路から電圧の情報だけをとる

741dを例に

足は8本

  • 2番ピン: IN+ (非反転入力) → 入力信号を加える
  • 3番ピン: IN- (反転入力) → フィードバックを繋ぐ
  • 4番ピン: V- (負電源) → -15Vなど
  • 7番ピン: V+ (正電源) → +15Vなど
  • 6番ピン: OUT (出力) → 増幅された信号が出る

実際の端子と等価回路

  • 記号の「-」は反転入力端子、「+」は非反転入力端子を表す
  • これらは差動電圧 の極性基準でもある
  • 「-」端子とアース端子間に電圧 を加えると、出力電圧は逆位相
  • 「+」端子に電圧 を加えると、同位相出力を生む

基本関係式:

  • 出力電圧:
  • 差動増幅度:(100dB)
  • 入力インピーダンス:
  • 出力インピーダンス:

等価回路のポイント:

  • オペアンプはそれぞれの電圧をそのまま増幅するのではなく、2つの入力の引き算(差分)だけを見ている
  • (入力インピーダンス)が無限大 → 前段回路から電流をまったく吸い込まず、電圧の情報だけにキャッチできる
  • (出力インピーダンス)がゼロ → 後ろにどんな機器が繋がれても、作り出した電圧 をロスすることなく100%外へ送り出せる

周波数特性とゲイン帯域幅積

オペアンプは直流信号の増幅が可能だが、正弦波交流信号に対しては次のような周波数特性をもつ。

ゲイン帯域幅積 GBW

増幅率 × 帯域幅 = 一定(741オペアンプの場合:GBW ≈ 1MHz)

例:100倍増幅なら帯域幅10kHzまで、10倍増幅なら100kHzまで

多目的アンプとしての使用:

  • 負帰還によって増幅率(ゲイン)を犠牲にし、fc を増加させて使用する
  • 外付け抵抗を使って倍率をあえて固定して使う
増幅率帯域幅用途例
1000倍1kHz低周波増幅
100倍10kHz音声増幅
10倍100kHz高周波増幅
1倍1MHzバッファ回路

実際の使い方

オペアンプは「高増幅率 × 窄帯域」か「低増幅率 × 広帯域」かを用途に合わせて選ぶ。

音声増幅なら100倍(10kHzまで)、映像信号なら10倍(100kHzまで)などが一般的。


負帰還増幅回路

** Variables の説明:**

変数意味備考
オペアンプの開ループゲイン電圧増幅度(741では約10万倍)
帰還率(フィードバック率)実際の回路では抵抗で決まる
入力電圧信号源からの入力
オペアンプへの入力電圧
出力電圧増幅された出力

負帰還増幅回路の流れ:

graph LR
    A[入力 Vs] --> B[引き算<br/>Vi = Vs - βf·Vo]
    B --> C[増幅<br/>Vo = K·Vi]
    C --> D[出力 Vo]
    D --> E[フィードバック<br/>βf·Vo]
    E --> B
    
    style A fill:#e6ffe6
    style B fill:#fff3e6
    style C fill:#ffe6e6
    style D fill:#e6ffe6
    style E fill:#e6e6ff
  1. 出力のサンプリング:出力電圧 の一部をフィードバック
  2. フィードバックの計算 という大きさに調整
  3. 引き算(入力からフィードバック信号を引く)
  4. 増幅(オペアンプで増幅)

クローズドループゲイン:

負帰還の威力

のとき:

増幅率はオペアンプの特性()によらず、帰還回路の抵抗比だけで決まる。
安定した増幅率を実現できる。

実際の回路例:

  • 反転増幅器:
  • 非反転増幅器:

なぜ負帰還が重要なのか

オペアンプの は温度や電源電圧で変動するが、負帰還をかけることで
増幅率を外付け抵抗だけに頼り、安定した回路を構成できる。

閉ループゲインとループゲイン:

記号意味
閉ループゲイン(
開ループゲイン(電圧増幅度)
ループゲイン

のとき:

Negative Feedback

増幅器のゲインが帰還回路だけで決まり、安定になる。これを**負帰還(Negative Feed Back)**という。

負帰還が及ぼす効果:

項目効果
周波数帯域幅増加
閉ループゲイン・ひずみ・雑音減少
入出力インピーダンス帰還方式により増減(理想回路ならループゲインの大きさ程度)

入力は情報だけ、出力の電力は電源から

理想的なオペアンプでは入力インピーダンスが無限大なので、入力端子に電流は流れない。

  • 入力信号から受け取るのは電圧(電位)の情報だけ
  • 入力側からオペアンプはエネルギー(電力)をもらわない
  • 出力端子の電流・電圧(=電力)は、**外部電源(正負の電源ピン)**から供給される
flowchart TB
    subgraph 入力側
        Vs[入力信号 Vs<br/>電圧情報のみ]
        Rd[入力インピーダンス Rd≈∞<br/>電流ほぼゼロ]
    end
    subgraph オペアンプ本体
        OP[差動増幅 K]
        PWR[外部電源 V+ / V-]
    end
    subgraph 出力側
        Vo[出力 Vo<br/>電力を外部へ]
        Load[負荷]
    end
    Vs --> Rd --> OP
    PWR -.供給.-> OP
    OP --> Vo --> Load

水のアナロジー

  • ダムの放流路 … 入力信号
  • 仮想接地・減算点 … 反転入力が 0V に見える点(
  • 帰還ネットワーク … 出力の一部を戻す(流れ抵抗が大きい経路)
  • 三角形の増幅器 … オペアンプ本体
  • 出力シンク … 増幅結果 が外へ出る
  • 地下水(0V) … グランド

「入力は水位差の情報だけ読む。実際に水を押し出す力は、別の水源(電源)から来る」イメージ。


反転増幅回路と仮想接地

flowchart LR
    Vin[v_in] --> Ri[R_i]
    Ri --> VG((仮想接地<br/>0V))
    VG --> OP[オペアンプ - 入力]
    OP --> Vout[v_out]
    Vout --> Rf[R_f]
    Rf --> VG

仮想接地(Virtual Ground)
実際にはグランドに接続していない端子が、電気的に 0V と同じに見える現象。負帰還により入力端子間の電圧差がほぼゼロだから、反転入力端子は「仮想的に接地」に見える。

電流・電圧の関係:

場所左端電圧右端電圧電流
  • オペアンプ入力端子に電流は流れない → はすべて 側へ
  • ノードで より:

回路全体のゲイン:

回路のポイント

  1. 入力端子間の電圧差はゼロ(仮想短絡)
  2. オペアンプに流入する電流はゼロ(仮想開放)

利用例: オーディオミキサー、D/Aコンバータ、光センサーなど


非反転増幅回路

flowchart LR
    Vin[v_in] --> OP["オペアンプ + 入力"]
    Vout[v_out] --> Rf[R_f]
    Rf --> RS["R_s"]
    RS --> GND[GND]
    Rf --> VG["(-)端子"]
    OP --> Vout
    OP -.->|仮想短絡| VG

非反転増幅回路の特徴: 入力信号を(+)端子に入力し、(-)端子には出力側からフィードバック回路を繋ぐ。反転増幅回路と比べて位相反転しない(出力が正の値になる)。

ポイント2から:

ポイント1から:

抵抗 に流れる電流:

ポイント2から 側に流入する電流は0なので:

∴ オペアンプ出力の式:

反転増幅回路との違い

反転増幅非反転増幅
入力端子(-)端子(+)端子
ゲイン(位相反転)(位相反転なし)
ゲインの範囲0以下〜1以上〜

非反転増幅回路の利用例

  • 入力インピーダンスが無限大のため、微弱な入力信号に全く負担をかけずに増幅可能
  • 例:圧電センサ、熱電対、ボルテージフォロアなど

ボルテージフォロア

非反転増幅回路の特殊ケース。 とすると:

flowchart LR
    Vin[v_in] --> OP["オペアンプ + 入力"]
    OP --> Vout[v_out]
    Vout -.->|直接フィードバック| OP

ボルテージフォロアの意味:

  • 位相変換も増幅もない(ゲイン = 1倍 = 0dB)
  • 信号をそのままスルーさせる

なぜ必要なのか:

  • 計測器側が入力信号の電流を消費してしまうと、微弱な信号源では電圧そのものが低下し、正確な計測ができなくなる
  • ボルテージフォロアを挟むことで、入力インピーダンスが無限大(電流を一切吸わない)のため、元の電圧信号を変化させることなく100%正確にキャッチできる
  • 出力からは全く同じ電圧のまま、後ろの回路を動かすための十分な電流を出力できる

インピーダンス変換

入力抵抗 → 理想的に無限大へ
出力抵抗 → 理想的にゼロへ

「電圧の情報だけ受け取って、電流能力だけ変換する」回路


差動増幅回路

flowchart LR
    V1[v_1] --> Ri1[R_i]
    Ri1 --> VG["(-)端子 v⁻"]
    VG --> OP[オペアンプ]
    OP --> Vout[v_out]
    Vout --> Rf[R_f]
    Rf --> VG

    V2[v_2] --> Ri2[R_i]
    Ri2 --> VG2["(+)端子 v⁺"]
    Ri2 --> Rf2[R_f]
    Rf2 --> GND[GND]

(+)端子側に注目:
オペアンプの(+)端子には電流が流れ込まないため、入力電圧 から入ってきた電流は、そのまま抵抗 を通ってグランドへ流れる。分圧器として:

(-)端子側に注目:
(-)端子にも電流は流れ込まないため、 から抵抗 を通って(-)端子にやってきた電流は、すべてそのまま抵抗 を通って出力へと流れる。キルヒホッフの電流法則((-)端子に流れ込む電流の合計 = 0):

仮想短絡より

特殊ケース: のとき

減算回路 になる。2つの入力信号の差分だけを取り出す回路。

利用例

高速デジタル通信の受信部(USB、HDMI、PCI Express、LANケーブルなど)


反転加算回路

flowchart LR
    V1[v_1] --> R1[R_1]
    R1 --> VG["(-)端子 0V"]
    V2[v_2] --> R2[R_2]
    R2 --> VG
    VG --> OP[オペアンプ]
    OP --> Vout[v_out]
    Vout --> Rf[R_f]
    Rf --> VG
    GND["(+)端子 GND"] --> OP

ポイント: (+)端子は直接グランド(0V)に接続されている。仮想接地の働きにより、(-)端子の電圧 も 0V に保たれる。

各入力から流れ込む電流:

(-)端子には電流が流れ込まないため、 はすべて合流し を通って出力端子へ流れる:

出力電圧:

特殊ケース: のとき

加算回路 になる。

ポイント

  • 仮想接地のおかげで の電流と の電流がお互いのルートに逆流して干渉し合わない
  • ⇒ ミキサー(音声の混ぜ合わせ)などに利用

反転積分回路

flowchart LR
    Vin[v_in] --> R[R]
    R --> VG["(-)端子 0V"]
    VG --> OP[オペアンプ]
    OP --> Vout[v_out]
    Vout --> C[C]
    C --> VG
    GND["(+)端子 GND"] --> OP

ポイント: (+)端子が直接グランドに接続されているため、(-)端子の電圧も 0V(仮想接地)。

入力電圧 から抵抗 を通って(-)端子に向かう電流:

(-)端子には電流が流れ込まないため、入力からやってきた電流 はすべてコンデンサ の方へ流れる:

コンデンサの電圧-電流関係より:

積分回路の意味

出力は入力の時間積分(反転付き)。

  • 入力が一定の直流なら、出力は時間に比例して直線的に変化(ランプ波になる)
  • 入力が正弦波なら、出力はコサイン波(90度位相遅れ)

利用例

波形変換(矩形波→三角波)、アナログ計算、PLL(位相同期ループ)など


反転微分回路

flowchart LR
    Vin[v_in] --> C[C]
    C --> VG["(-)端子 0V"]
    VG --> OP[オペアンプ]
    OP --> Vout[v_out]
    Vout --> R[R]
    R --> VG
    GND["(+)端子 GND"] --> OP

ポイント: (+)端子が接地されているため、(-)端子の電圧は 0V(仮想接地)。

入力電圧 からコンデンサ を通って(-)端子へ流れる電流:

コンデンサの電流は、両端の電圧の時間変化率(微分)に容量を掛けたもの。右側は0Vに固定されているため:

(-)端子には電流が流れ込まないため、コンデンサから の方へ流れる:

出力端子から(-)端子(0V)に向かって抵抗 を流れる電流 をオームの法則で表すと:

微分回路の意味

出力は入力の時間微分(反転付き)。

  • 入力が線形に変化(ランプ波)なら、出力は定数(階段状)
  • 入力が正弦波なら、出力はコサイン波(90度位相進み)

積分回路との対比

積分回路微分回路
入力側抵抗 コンデンサ
フィードバック側コンデンサ 抵抗
出力
周波数特性高周波を減衰(ローパス)低周波を減衰(ハイパス)

積分回路の周波数特性

実際の積分回路では、フィードバックに抵抗 を並列に繋ぐ。

flowchart LR
    Vin[v_s] --> R[R]
    R --> VG["(-)端子 0V"]
    VG --> OP[オペアンプ]
    OP --> Vout[v_o]
    Vout --> C2[C]
    C2 --> VG
    Vout --> r[r]
    r --> VG
    GND["(+)端子 GND"] --> OP

低周波(または直流)の場合:

  • コンデンサ は電流を通しにくくなり、直流では断線とみなせる
  • 電流 は主に抵抗 を通って流れる
  • このときの出力は → 通常の反転増幅回路として動作

高周波の場合:

  • コンデンサ は電流を通しやすくなる(導線に近づく)
  • 電流 は抵抗 ではなくコンデンサ の方を優先して流れる
  • コンデンサに電流が流れると、電荷が蓄積されていく(積分される)
  • 周波数が高くなればなるほど、出力電圧 の大きさは減少(減衰)する

Bodeプロットの特徴

  • 低周波域:ゲイン一定( dB)
  • _cutoff周波数 を境に、-20dB/dec(-6dB/oct)の勾配で減衰
  • 理想的な積分器として動作する領域:


積分回路として使う条件

(フィードバック回路側の時定数が入力側より十分大きい)
のとき、回路はきれいな積分回路として動作する。


微分回路の周波数特性

実際の微分回路では、入力側に抵抗 を直列に繋ぐ。

flowchart LR
    Vin[v_s] --> r2[r]
    r2 --> C2[C]
    C2 --> VG["(-)端子 0V"]
    VG --> OP[オペアンプ]
    OP --> Vout[v_o]
    Vout --> R[R]
    R --> VG
    GND["(+)端子 GND"] --> OP

低周波(または直流)の場合:

  • コンデンサ は直流を通さないため、入力側が断線した状態
  • 電流 が流れないため、出力電圧 は 0V
  • 低い周波数の信号は遮断される

高周波の場合:

  • コンデンサ は導線に近づき無視できる
  • 入力側のインピーダンスは抵抗 だけになり、回路全体としては通常の反転増幅回路として動作
  • 出力は → 一定の増幅率(直流利得に相当する高周波ゲイン)を持つ

Bodeプロットの特徴

  • 高周波域:ゲイン一定( dB)
  • _cutoff周波数 を境に、+20dB/dec(+6dB/oct)の勾配で増加
  • 理想的な微分器として動作する領域:


微分回路として使う条件

(入力側の時定数がフィードバック側より十分小さい)
のとき、回路はきれいな微分回路として動作する。


積分回路・微分回路のまとめ

積分回路微分回路
入力側抵抗 (直列)
フィードバック側抵抗
低周波反転増幅(ゲイン一定)遮断(出力 ≒ 0)
高周波減衰(-20dB/dec)反転増幅(ゲイン一定)
動作条件
用途波形変換、アナログ計算エッジ検出、高速通信