20260626_3
連続型確率分布に入るらしい
指数、正規、一様分布は最低限使いこなせるように
- 標本空間がユークリッド空間の連続部分集合としての実数集合と等価な分布
指数分布
銀行の窓口に人が来る時間間隔の分布
Variables:
- X(確率変数)= 前のお客さんから次のお客さんが到着するまでの「時間間隔」
- x(具体的な時間)= すでにx分待ってまだ誰も来なかった、という条件
- y(さらに追加する時間)= その先、さらにy分待つ、という話
x分待って、その後y分待っても来なかったとき
P(X>x+y∣X>x)
来る人同士に関連性はないから、この確率は
P(X>x+y∣X>x)=P(X>y)
→「x分待ってまだ来なかったからといって、次の客が来やすくなるわけじゃない」=無記憶性
このとき確率密度関数は
f(x)=λe−λxの表現を必ず持つ
この確率密度関数を持つ確率分布が指数分布で、X Exp(λ)で表現
- 式変形
P(X>x+y)=P(X>x)P(X>y)
- これを満たす累積分布関数F(x)と確率密度関数f(x)を用意する
{1−F(x+y)}={1−F(x)}{1−F(y)}
- 両辺をxで微分
−f(x+y)=−f(x){1−F(y)}
- ここでx=0で
F(y)=1−e−f(0)y
- λ=f(0)としてyで両辺を微分する
f(y)=λe−λy(y>0)
ベルヌーイ分布やポアソン分布からも求められるらしい
平均
E[X]=∫0∞xf(x)dx を計算する。部分積分(u=x,dv=λe−λxdx)を使う。
E[X]=∫0∞x⋅λe−λxdx=[−x⋅e−λx]0∞+λ1∫0∞λ⋅e−λxdx(部分積分:境界項+残りの積分)=[0−0]+λ1[−e−λx]0∞=λ1
分散
V[X]=E[X2]−{E[X]}2 なので、まず E[X2] を求める。これも部分積分。
E[X2]=∫0∞x2⋅λe−λxdx=[−x2⋅e−λx]0∞+∫0∞2x⋅e−λxdx(部分積分:u=x2,dv=λe−λxdx)=0+λ2∫0∞x⋅λe−λxdx=λ2⋅E[X]=λ22
V[X]=E[X2]−{E[X]}2=λ22−(λ1)2=λ21
モーメント母関数
定義:MX(t)=E[etX]。指数をまとめると積分が簡単になる。
MX(t)=E[etX]=∫0∞etx⋅λe−λxdx=∫0∞λ⋅e−(λ−t)xdx(指数の足し算:tx+(−λx)=−(λ−t)x)=λ−tλ(t<λ)
∫0∞(λ−t)e−(λ−t)xdx=1(パラメータ λ−t の指数分布の全確率)を利用。
MX(t)=λ−tλ は t の関数になっている。x は積分で消えた(ダミー変数)。よって t で微分できて、各モーメントが得られる。
- 1回微分 → 平均:E[X]=MX′(0)
- 2回微分 → 2次モーメント:E[X2]=MX′′(0)
MX′(t)E[X]=dtd(λ−tλ)=(λ−t)2λ(quotient rule)=MX′(0)=(λ−0)2λ=λ1
MX′′(t)E[X2]=dtd((λ−t)2λ)=(λ−t)32λ=MX′′(0)=(λ−0)32λ=λ22
V[X]=E[X2]−{E[X]}2=λ22−(λ1)2=λ21
(積分で直接求める方法と同じ結果になる)
指数分布の確率密度関数は単調減少
中央値はF(x)=0.5となる場所でλlog2
これは平均より小さい
指数分布の無記憶性
幾何分布をもとに導出したため、幾何分布を受け継いで無記憶性を備える
→何度失敗しても次に成功する条件付き確率が変わらない
Pr[X>x+a∣X>a]=Pr[X>a]Pr[X>x+aandX>a]=Pr[X>a]Pr[X>x+a](定義域が0以上であるため)=e−λae−λ(x+a)=e−λx
時間a経っても何も起きていないならそこからさらに時間xだけ経過しても未だに発生していない確率は最初からxだけ経過しても発生しない確率と同じ
時間が変わっても確率が変わらないのが無記憶性
詳細はスキップ
期待値λ1をμとした表記もある
ガンマ分布
X1,…,Xn が互いに独立、かつすべて指数分布(平均μ)に従うとする。Xi∼Exp(1/μ)
このとき、最初のn項の和は
Yn=i=1∑nXi∼fn(x)=(n−1)!μn1xn−1e−x/μ
この分布をアーラン分布 Erlang(n,μ) と呼ぶ。ガンマ分布の特殊ケース。
■ ガンマ分布の導出(数学的帰納法)
Y1=X1 のとき、f1(x)=μ1e−x/μ(指数分布そのもの)
Yk が fk(x)=(k−1)!μk1xk−1e−x/μ に従うと仮定すると、Yk+1=Yk+Xk+1 のたたみ込みで:
fk+1(x)=∫0xfk(t)f1(x−t)dt=∫0x(k−1)!μk1tk−1e−t/μ⋅μ1e−(x−t)/μdt=k!μk+11xke−x/μ
⇒fk+1(x) も同形 ⇒ 数学的帰納法で示される
■ ガンマ関数とは?
階乗を実数に拡張したもの。3.5! のような小数の「階乗」を定義する道具。
定義:
Γ(α)=∫0∞xα−1e−xdx
なぜこれが階乗と関係するのか → 部分積分で漸化式 Γ(α+1)=αΓ(α) が導ける。
整数のとき:
n12345Γ(n)Γ(1)=1Γ(2)=1⋅Γ(1)=1Γ(3)=2⋅Γ(2)=2Γ(4)=3⋅Γ(3)=6Γ(5)=4⋅Γ(4)=24(n−1)!0!=11!=12!=23!=64!=24
→ Γ(n)=(n−1)! が成り立つ
ガンマ分布では全確率=1を満たす正規化定数として登場する。
■ ガンマ分布の定義
n を α、μ を β と書き換える。形状母数 α、尺度母数 β。
f(x)=Γ(α)βαxα−1exp(−βx)(α>0,β>0,x>0)
X∼Γ(α,β) と表す。
- Γ(1,μ)=Exp(1/μ)(指数分布)
- Γ(n,μ)=Erlang(n,μ)(アーラン分布)
- Γ(2n,2)=χ2(n)(カイ二乗分布)
■ ガンマ分布のモーメント(平均)
E[X]=∫0∞x⋅Γ(α)βαxα−1e−x/βdx=Γ(α)βα1∫0∞xαe−x/βdx
ここで積分をガンマ関数の形に変形する。u=x/β(x=βu、dx=βdu)とおいて:
∫0∞xαe−x/βdx=∫0∞(βu)αe−uβdu=βα+1∫0∞uαe−udu
∫0∞uαe−udu=Γ(α+1) なので:
E[X]=Γ(α)βα1⋅βα+1⋅Γ(α+1)=Γ(α)βΓ(α+1)
ここで Γ(α+1)=αΓ(α) を使うと:
E[X]=Γ(α)β⋅αΓ(α)=αβ
■ ガンマ分布のモーメント(分散)
平均と同じ要領で置換積分 → ガンマ関数の形に変形。Γ(α+2)=(α+1)αΓ(α) を使う。
E[X2]=∫0∞x2⋅Γ(α)βαxα−1e−x/βdx=Γ(α)βα1∫0∞xα+1e−x/βdx(平均と同様に u=x/β で置換)=Γ(α)βαβα+2Γ(α+2)=Γ(α)Γ(α+2)β2=α(α+1)β2
V[X]=E[X2]−{E[X]}2=α(α+1)β2−(αβ)2=αβ2
■ ガンマ分布のモーメント母関数
MX(t)=E[etX]=∫0∞etx⋅Γ(α)βαxα−1e−x/βdx=∫0∞Γ(α)βαxα−1e−x(β1−t)dx(指数の足し算)=(1−βt)α1(t<1/β)
Γ(α,β−t1) の全確率=1 を利用。1/(β−t) に置き換えたガンマ分布の密度関数の全確率が1であることから、積分が簡約される。
■ おまけ:k次モーメント
E[Xk]=Γ(α)Γ(α+k)βk
指数分布の和の確率関数の導出は毎年テストに出てるらしい
■ 畳み込みとは?
2つの独立な確率変数の和の分布を求める公式。
X,Y が独立で、それぞれ密度関数 fX(x)、fY(y) を持つとき、Z=X+Y の密度関数は:
fZ(z)=∫−∞∞fX(t)fY(z−t)dt
直感:「X=t になる確率密度 × そのとき Y=z−t になる確率密度」を、全ての t について足し合わせる(積分する)。
■ 指数分布2つの和 Z=X1+X2(X1,X2∼Exp(λ)、独立)
fX1(x)=λe−λx(x>0)
STEP 1:公式に当てはめる
fZ(z)=∫−∞∞fX1(t)fX2(z−t)dt
STEP 2:積分範囲を決める
fX1(t) は t>0 でしか0でない。fX2(z−t) は z−t>0(つまり t<z)でしか0でない。
→ 積分範囲は 0<t<z に限定される。
fZ(z)=∫0zλe−λt⋅λe−λ(z−t)dt
STEP 3:被積分関数を整理
=∫0zλ2e−λte−λz+λtdt=∫0zλ2e−λzdt
e−λt と e+λt が打ち消し合って、t を含まない项だけが残る。
STEP 4:積分を実行
fZ(z)=λ2e−λz∫0zdt=λ2ze−λz(z>0)
結論:fZ(z)=λ2ze−λz → これは Γ(2,1/λ)(アーラン分布)
■ まとめ:畳み込みの手順
- 公式を書く:fZ(z)=∫fX(t)fY(z−t)dt
- 積分範囲を決める(密度関数が0でない範囲の共通部分)
- 被積分関数を整理(指数が打ち消し合うことが多い)
- 積分を実行